2021/08/17(火)
〜仙腸関節の副運動について〜 相模大野で唯一の【慢性腰痛専門】整体院カイル相模大野
カテゴリー:ぎっくり腰, 仙腸関節痛, 坐骨神経痛, 整体, 相模大野, 脊柱管狭窄症, 腰痛, 院長ブログ
〜仙腸関節の副運動とその障害〜
仙腸関節の副運動には滑りと離開があり、この副運動の程度には個人差があります。
感覚的に感じられるのは0.5〜3mmの範囲で、正常な仙腸関節や軽度の仙腸関節機能異常では副運動は柔らかく感じられますが、仙腸関節機能障害で強い炎症を伴っている場合は副運動に硬さがあり、副運動の幅は減少します。
炎症がある場合、副運動の程度はその炎症の時期により変わります。たとえば、単純性仙腸関節炎の始まりの時期は副運動の動きはとても硬く、感覚での動きの評価が難しくなります。初期の炎症が治ってくると副運動は回復してきますが、仙腸関節の動きは”ねばい”動きをします。炎症が治ると仙腸関節の副運動は柔らかになります。
ですが、度重なる炎症で仙腸関節が拘縮している場合は、副運動の範囲はとても狭くなります。
〜関節軟部組織過緊張連鎖とは〜
関節軟部組織過緊張連鎖とは、左右同じ側の関節に副運動障害が連鎖することです。
ここで関節軟部組織過緊張連鎖の実験をご紹介しましょう。
仰向けで右の肘を90°曲げて、重力で曲がるようにしてみます。力を入れないと150°くらいまで自然と曲がります。(A)
次に同じ右側の膝のどこでも関節付近を強く掴んでみます。すると肘の曲がり具合が140°くらいで止まってしまいます。
これが”関節軟部組織過緊張連鎖です。1つの関節に過緊張を起こさせると同じ側の関節に過緊張が連鎖するのです。
仙腸関節機能異常がおこると、同じ側のあらゆる関節に連鎖します。これを”仙腸関節からの関節軟部組織過緊張連鎖”といいます。
仙腸関節機能障害では、同じ側の股関節、膝関節、足関節、椎間関節(背骨の関節)、肋椎関節(肋骨と背骨の関節)さらにその他の小さい関節に関節機能異常が波及することがあります。反対側では仙腸関節にだけ波及する事があります。
このように仙腸関節の機能障害を見逃してしまうといろんなところへ痛みが波及してしまうので、最初にしっかりと検査していくことがとても大事になってきます。