2020/02/13(木)
【脊髄係留症候群】脚のしびれ、坐骨神経痛、運動障害がある!でもヘルニアではないみたい、、
カテゴリー:しびれ, 坐骨神経痛, 椎間板ヘルニア, 症状別, 脊柱管狭窄症, 腰痛, 院長ブログ
こんにちは!
町田・相模原で唯一の【腰痛専門】整体院カイル 院長の渡辺貴大です^ ^
今回は脊髄係留症候群についてお話しします。
あまり聞き慣れない疾患名かと思います。
この脊髄係留症候群は、脚のしびれや痛みなどがあり、腰椎椎間板ヘルニアと症状が似ています。
比較的若い方に多く、この点も腰椎椎間板ヘルニアの好発年齢と同じです。
腰椎椎間板ヘルニアではMRI検査で確定診断されますが、
脊髄係留症候群の場合はMRI検査をしても椎間板の破綻などのヘルニアの所見ありません。
前屈で床に手がつかないことが多く、 頻尿、便秘といった膀胱直腸障害を伴うことがあります。
一体どのような疾患か?
背骨の中を脊髄という太い神経の束が通っています。
脊髄は神経の束です。
その脊髄の下端は円錐状になっていて脊髄円錐と呼ばれています。
脊髄円錐からは終糸と呼ばれるヒモ状の線維組織が伸びていて尾骨に付着して脊髄を固定します。
脊髄円錐の高さは第2/3腰椎の間より上にあるのが、正常です。
産まれた時には第3腰椎の高さに脊髄円錐があり、成長するにつれて背骨は伸びて行きますので、脊髄円錐は相対的に上方にあがっていきます。
成人すると第1腰椎か第2腰椎の高さになります。
脊髄係留症候群はこの発達に合わせて脊髄円錐が上昇するのが阻害されてしまい、下の位置に存在することです。
第3腰椎から下側にある場合は、低位円錐と呼ばれ、脊髄係留が疑われます。
これに伴った症状がある場合に「脊髄係留症候群」または「脊髄終糸症候群」となります。
では、なぜ脊髄係留が起こるのでしょうか?
終糸や脊髄に生まれつき脂肪腫がある場合があります。
脂肪腫があるとこれによって、皮下につなぎとめられてしまいます。
また脊髄終糸が太くて硬い場合なども脊髄が下へ引っ張られます。
脊髄が常に下方向に牽引されている状態になりますので、腰を曲げ伸ばししたり、頭を前に倒したりする動作では
より強く脊髄が引っ張られるようになってしまいます。
子どもの頃にはあまり目立った症状がなくても、身長が一気に伸びる成長期の頃に脊髄の引っ張りが強句なり、症状が目立ち出す場合もあります。
【症状】
・運動障害
下肢の末梢側で高度になります。筋力低下、筋肉の萎縮、足の変形を生じます。
・神経症状
神経痛、しびれ、膀胱直腸障害(頻尿、便秘、尿もれ、下痢など排泄機能の障害)
【特徴】
①10歳前後の若年者に多い
②腰椎前弯(腰の反り)が強い姿勢
③立位や歩行(腰椎前弯増強)で症状が軽減し、座位や前屈(腰椎前弯減少)で症状が悪化する
④運動後に症状が増悪する
⑤伴う症状として足の変形、夜尿症、難治性足部潰瘍がみられることがある
【治療法】
成長期に神経症状が出るようであれば手術療法が選択され、脊髄を皮下組織から切り離すことを行います。
症状が出てから時間が経つと、手術しても改善は難しく、特に排尿障害が改善しにくいといわれています。
元々症状があまりなく、高齢になってから脊柱管狭窄症など他の病気で初めて撮影した腰椎のMRI検査で、たまたま脊髄係留が発見されることがありますが、この場合は手術は必要ありません。
いかがでしたか?
今回は脊髄係留症候群についてお話ししました。
脚のしびれ、運動障害、腰痛などでMRIを撮ったけどヘルニアの所見が見られない場合は
このあたりも一応視野に入れておいた方が良さようですね!
ではまた次回のブログで!